2007年11月20日

インプラントの歴史

大切な歯を何らかの理由で失ってしまった時、人工歯根を埋め込み修復する新しい治療法インプラント。
見た目も綺麗で歯を自然な形に近づけることのできる新しい治療法として、現在、多くの歯科で勧められている治療法です。
自分の歯と同じように噛むことができ、現在世界で注目されている治療法であるインプラントの始まりというのはどんなものだったのでしょうか。

始まりは1952年にさかのぼります。
スウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルク博士が、血液の流れに関する研究を行う為、ウサギの体内にチタン製の生体顕微鏡用の器具を埋め込む作業をしていました。
ところがこの時、骨と顕微鏡器具がくっついて外すことができなくなってしまったのです。
この幸運とも言える偶然の出来事が、現在のチタン製インプラントの始まりであると言えます。
ブローネマルク博士はその後13年間、さまざまな基礎実験や動物実験を重ねて、歯科治療への応用法を探っていきました。そしてチタンがある一定の条件で骨に埋入された時、骨の拒否反応は起こらず、強い結合が生まれることを明らかにしたのです。
博士はこれをオッセオインテグレーション(骨結合)と命名しました。
そして1965年、人工歯根としての臨床応用をスタートし、現在のインプラントの基盤となったわけです。

最初にインプラント治療を受けた30代の男性のインプラントは、35年以上経った今も何の問題もなく機能していると言われています。
1998年、ブローネマルク教授はチタン製インプラントの実績によって、スウェーデン政府からグランドプライズ賞を授与されました。チタンと骨との結合は科学的に正しいと認知されるようになったのです。

インプラントは、従来からの治療法であるブリッジや入れ歯の欠点を克服できると言われていますが、具体的な違いは何なのでしょうか。

歯を1本だけ失った場合、従来法では、失った両隣の歯を削り固定するブリッジ法がとられています。
インプラントですと、失った部位にのみ埋め込まれる形になります。健康な歯を傷つけることは全くありません。 また、自分の歯とほとんど見分けがつかず、美しさをとり戻すことができます。

歯をたくさん失った場合、従来法では、健康な歯に針金をかけて入れ歯を固定する方法です。この方法は、針金をかけた歯にも負担がかかることになります。
インプラントですと、歯のない部分に複数のインプラントを入れて、固定式の人口歯をとりつけるため、周囲の歯を傷つける心配はありません。

歯を全て失った場合、総入れ歯になります。
従来法では、歯肉との吸着力で入れ歯を支えています。これは安定が悪くガタついたり、また味覚も損なわれたりしてしまいます。
インプラントですと、数本のインプラントを入れて維持装置を取り付け、これで入れ歯を固定します。
入れ歯のように取り外す必要がなく、違和感なく自分の歯のように噛むことができます。ガタつきの心配もありません。


インプラントのメリットとデメリット

失ってしまった歯の替わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込んで、人工歯を装着する治療法、インプラント。
最近テレビのニュースや雑誌の話題でも、よく目にするようになっていますね。
最先端技術を取り入れて、従来法の入れ歯やブリッジ法の欠点を克服した治療法として注目されているインプラントですが、入れ歯よりインプラントが良い、歯を失ってしまったらインプラントだ!と一概に言えるのでしょうか。治療法を選択するのはあくまで自分自身で、自分の満足度がそれを決めるのです。

インプラント治療は顎の骨インプラントを埋入するので、外科手術が必要になります。
また顎の骨にしっかりと定着するまでのある程度の期間が必要です。

さらにインプラントと他治療法との大きな違いは、インプラントは自費治療になってしまうということです。1本あたり、20万~60万円くらいの費用がかかります。
入れ歯の場合、使用する材料によっては自費診療になる場合もありますが、保険での治療も可能です。

入れ歯でもしっかり噛めていて自分なりに満足しているのであれば、わざわざインプラント手術を受ける必要はありません。
既に入れ歯を使っていて、固い物が噛めない、食事を美味しく食べられない、などと不具合を感じている時は、まずはメンテナンスを中心に改善方法を検討することをお勧めします。
入れ歯に代わる治療法としてインプラントを考えている人は、インプラントのメリット、デメリットをよく理解して他の治療法との比較・選択の基準にしてください。

具体的には、従来法と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、自然の歯と同じように噛むことができるという大きな点があります。
自然の歯の約80%程度の噛む力を残すことができるのです。
入れ歯と違い、しっかりと固定されているため、不安定にガタつくことがなく、固い食べ物でも違和感なくおいしく食べることができます。
そして、物を食べた後も、入れ歯やブリッジと比べて、周りの歯に食べかすなどが付着しにくいという点があります。そのため、周りの歯に虫歯が出来にくいのです。
もう1つの大きなメリットして、従来のブリッジと違い、周りの健康な歯を傷つけることがないという点があります。
そして入れ歯と違い、耐久性も優れていて、永久的なものであります。インプラントは一生ものなのです。
そしてこうした機能的なメリットの他に、見た目の美しさがあります。違和感がなく、見た目がとても自然なのです。これはやはり、重要なポイントですよね。
一生つきあっていくインプラントですから、やはり見た目的にも満足したものでないと、気持ち良い生活は過ごせませんね。
インプラントは機能的な面からも、美しさの面からも、自然の歯により近い歯を持つことができる治療法であるといえます。

しかし、インプラントにも欠点はいくつかあります。

まず、誰しもがインプラントで治療ができるわけではなく、入念なカウンセリングが必要になります。また、治療期間が長くなるという点があります。入れ歯なら1週間程度、ブリッジなら早くて10日程でできるところを、インプラントですと、早くて6週間、長い場合は3ヶ月程かかります。

また、インプラントは外科手術を受けることになります。顎の骨や歯肉を削ることになるので、出血や腫れ、さらには細菌の感染による合併症が起こってしまう可能性も出てきます。そして、手術完了後も定期的なケアが(歯石除去など)必要になります。衛生的な環境にしておくとこに注意しなければならないのです。さらに他の方法は保険で行うこともできるのですが、インプラントの場合は健康保険が適用されてないので、自費治療となります。

インプラントの耐久性とメンテナンス

インプラントは虫歯や歯周病、事故などで歯を失った場合に、骨に直接維持を求めた人工の歯(人工歯根)のことです。

入れ歯やブリッジの欠点を克服した画期的な治療法として、現在注目されている治療法ですが、外科手術を受けることになるため、大掛かりな印象を受ける人も少なくありません。
また、保険適用外のため、治療費が高くなってしまいます。

そういったことを考えると、インプラント治療後はどれくらい機能が保たれるのか、インプラントの寿命も気になる所ですね。

インプラントは、手入れをしっかりしていれば長期間の耐久性があります。

現在の材料は純チタン製で、通常の使用では破損の心配はまずありません。
表面に酸化チタンの膜があり、その膜が内部のチタンの腐食防止の働きをしています。
40年以上前に植立されたインプラントが、今でも問題なく使われているケースもあります。

大事なことは、定期的なメンテナンスです。万が一、摩耗や破損があった場合に対応してもらえることが重要です。
インプラント治療を受ける時は、主治医の先生とメンテナンスの面でも十分に相談しておきましょう。

また、インプラントの寿命は歯周病などの歯茎の病気と大きく関係しています。
インプラントがダメになってしまう場合、そのほとんどは歯周病によって土台である骨が侵されてしまい、支えられなくなる場合なのです。

ですから、インプラントが歯周病などにかからないように、定期的な検診がとても重要になります。
インプラントの寿命をより長くするためには、食後のブラッシングを習慣付けるなど、自分自身で口内環境を清潔に保つことが必要です。指導されたブラッシング方法で正しく行い、”食べたらすぐ磨く”ことを心がけましょう。

インプラントには神経がありません。
・・・ということは、感染が起こっても自覚がないのです。
グラグラしてきたり、膿が出たりしてから気がつくのですが、こうなってしまっていては、既に時遅しです・・。

治療が終了した後は、必ず定期的に検診を受けましょう!

インプラント治療後、最初の1年は、まだ骨が固まっていく過程にあります。
ですから3~4か月ごとに1回、定期検診を受けた方が良いでしょう。
レントゲンを撮って、順調に骨がついていっているかの確認をします。

1年目以降は、インプラントに異常が起きる確率は非常に少なくなります。
ですから、1年に1回の検診で十分です。

検診では、インプラントと歯肉の状態、歯周組織検査、噛み合わせのバランスのチェックをし、歯科衛生士による口腔清掃方法の確認と指導、除石をして歯のお手入れを行います。
このような検診は、インプラントを入れた歯科医で行うことをお勧めします。
インプラント手術を通じての情報は、骨の状態、歯肉の状態、お口の中全体の環境のことなど、実際に手術を施した歯医者さんが一番良く分かってくれています。
責任をもって、チェックしてくれることでしょう。


インプラント治療と費用

歯の抜けた箇所に人工歯根を埋め込んで、その上から人工の歯を取り付ける治療法、インプラント。入れ歯やブリッジと違い、自分の歯のように噛む事ができ、見た目も自然の歯とほとんど変わらず、周りの歯を傷つけることなく治療することができます。

今注目されている治療法ですが、費用が1本あたり20万~60万くらいかかります。
(幅がありますが、インプラントの種類、治療法、医院の場所や大きさなどによって異なります。)

決して安い治療ではありませんね。なぜインプラント治療は高いのでしょう。

まず、残念ながら健康保険が使えないという点があります。保険外診療・自費・自由診療になります。
またインプラント治療は、人工歯根の移植治療です。移植手術は簡単な手術ではないということです。取り付ける歯はオーダーメイドで、医師だけでなく、歯科衛生士、歯科技工士の知識と技術がいります。そしてほとんどが細かい作業です。1本の歯を時間と手間をかけ、丁寧に作りあげるのです。

ですがインプラントは半永久的に使えるものです。確かに治療費は高いと感じますが、入れ歯のように、合わなくて何度も作り直す必要はなく、インプラントによって体調が良くなったりする効果もあります。噛み心地の良さや審美性をみても、他の治療法とは比較にならないのです。

これらのことを考えると、インプラント費用が他と比べて高いとは一概に言えないのではないでしょうか。
また、治療費や診査費は医療費控除の対象になりますので、場合によっては確定申告によって半分以上戻ってくることもあります。

インプラント治療を考えているけれど、数ある歯科医の中でどれを選んだら良いか分からない・・・という人も多いのではないでしょうか。

インプラント手術は決して簡単なものではありません。やはり最新の歯科治療を勉強している、インプラント治療実績が豊富なドクターがいる病院を選びましょう。できれば日本口腔インプラント学会認定医のいる病院が良いです。

ですがどんなに優秀なドクターがいても、患者さんとのコミュニケーションをとれない病院では安心して治療を受けることができませんよね。
治療前の説明(治療方法、費用、手術のリスク、失敗率など)をしっかりしてくれて、自分の希望を正しく聞き入れてくれるような病院であることも重要なポイントです。

診断においては、図や絵、レントゲン写真やコンピューター画面などで視覚的に分かりやすく患者さんに説明してくれる医院が良いです。

手術においては、専用のオペ室を持っている医院が良いですね。専用オペ室とまでいかないまでも、時間帯を決めて静かで清潔な環境で手術を行っている医院を選びましょう。
手術の隣で入れ歯の調整をしているような医院では清潔であるとは言えませんね。
細菌感染が健康なインプラントに影響を及ぼす危険もあります。
口の中を清潔に保つことはインプラント手術にとって非常に重要なことなのです。

インプラントの治療費は、平均して1本約50万円以上かかります。複数の本数ではさらに高額になってしまいます。決して安い治療ではありません。
そういったことからも、患者さんの金銭的な面についても、きちんとした説明をしてくれる医院であることも大切ですね。
カードなど、分割払いに応じてくれるか、また治療費が他の医院に比べて極端に安い医院も心配です。

色々な医院に足を運び、自分の目で確かに信頼のおける医院かどうか見極めてから手術を受けることをお勧めします。

インプラントの成功率

最近巷でよく耳にするようになったインプラント。
入れ歯やブリッジの欠点をカバーできる最先端治療として話題になっていますね。

インプラントは外科手術を受けることになります。手術というからには、やはり気になるのは成功率ですね。

インプラントの成功の基準は何でしょう。成功基準には2つあります。

まずは、一通りの手術の成功です。インプラントを埋めてその上に人口歯を装着し終わった時に痛みや腫れがなく、しっかり噛む事ができ、見た目にも綺麗な状態であれば成功であるといえます。
2つめの成功は手術後、痛みや不快感がなく、患者さんが満足した状態が10年以上続いている場合です。インプラントは一生ものだと言われるように、中には40年近く使い続けている患者さんもいます。

この2つめの成功をクリアする確立は現在約96%ぐらいであると言われています。
この確率は外科手術の中でも、とても高いといえます。

残りの4%は様々な原因により、インプラントが脱落してしまった場合です。
インプラントを埋入してから、骨としっかり結合するまでの間に細菌が感染して、脱落してしまう事もありますが、それ以降の脱落には、患者さん自信の努力が大きく関係しています。
歯をしっかり磨いていなかったり、年に2、3回のメンテナンスを怠っていたりすると、インプラントの寿命は短くなってしてしまうのです。

ただ、たとえインプラントが抜けてしまったとしても、歯が抜けた箇所の傷は半年程で完治しますし、その後でインプラント治療をやり直すことも可能です。

そもそもインプラント治療に適している人とはどんな人でしょう。
まず、基本的には入れ歯やブリッジ治療では心配、不満を感じている人であれば誰でもインプラントに適していると言えます。

現在入れ歯やブリッジを使用中の人で、口臭が気になっていたり、硬いものが食べにくい、発音や発生がしにくい、人前で笑ったり話したりする時に気になる、スポーツがしにくい、などの不満を感じている人は、インプラント治療で悩みを解決できると思います。

歯を失くしてしまい、どんな治療を受けようか考えている人も、以前と同じように噛むことができ、快適な生活を取り戻したいと考えているならば、インプラント治療が最も良いと言えるでしょう。

ですが、インプラント治療を受ける前に、以下のような条件をクリアしているかチェックしておく必要があります。
・歯周病や虫歯がないか
・インプラント治療を行うのに適した骨量や骨質が十分にあるか
・インプラント治療後、口の中を清潔に保たなければいけない為、メンテナンスをしっかり行えるかどうか
・インプラント治療を行うのにリスクのある疾患はないか

これらの条件を満たしていないからといって、必ずしもインプラント治療を受けられないわけではありません。
インプラント治療は日々進歩していて、適切な処置をした後に治療を受けることができる場合がほとんどです。信頼のおける歯科医師とよく相談した上で治療を受けてください。


インプラントの種類

インプラントとは、虫歯や歯周病、事故などで歯を失った場合に、骨に直接維持を求めた人工の歯(人工歯根)のことを指します。
現在、入れ歯やブリッジに替わる治療法として注目されています。

インプラントのメーカーは、全世界で100以上あると言われています。
オリジナルのインプラントを製造しているメーカーはほとんどなく、ほとんどはブローネマルク教授の開発したインプラントのコピー品や派生品です。

主なインプラントのメーカーとしては、I.T.I. インプラント、スイスプラスインプラント、ブローネマルクインプラント、アストラインプラントなどがあげられます。

I.T.Iインプラントは、インプラント体が短い為に日本人に適しています。治療期間も短く、費用も比較的安いです。

インプラントの形もさまざまです。主なものとして、ブレードタイプ、スクリュータイプ、シリンダータイプ、中空型などがあります。

ブレードタイプは、幹のような形で、幅が薄いので狭い箇所にも埋めることが可能ですが、破損しやすい難点もあります。

スクリュータイプは、ねじのような形です。骨にドリルでねじ切りし、そこに埋めます。比較的安定した形です。

シリンダータイプは、ねじのついていない円筒型です。現在良く使われています。安定していますが、初期は弱いので二回法が良いでしょう。

中空型は、スクリュー型に似ていますが、文字通り、中が空洞です。そのため、骨を削る量も少ないので、噛む力を効率的に伝えることができます

インプラントと歯周病

現在、入れ歯やブリッジに替わる治療法として注目されているインプラント治療。

歯が抜けた時、見た目や不便さから”早くインプラント治療で歯を取り戻したい!”と考えがちですが、まず、どうして歯が抜けたのか、考える必要があります。
その原因が歯周病である場合、その治療からしっかり行わなければなりません。

歯周病は歯茎の中の歯周病菌(プラークまたはバイオフィルム)が骨の組織にまで進行し細胞を食べていく事によって、歯槽骨と呼ばれる歯の周囲の骨が溶けていく病気です。
放置すると、歯が抜けておちてしまいます。

骨に埋め込むインプラントはチタンでできています。チタンはインプラントと結合している骨にも永久に結合します。ですからインプラントの場合も、自然の歯と同じように歯周病菌の骨への感染があり、歯周病になることがあります。

インプラントと結合している骨に歯周病菌が感染すると、インプラントの失敗へとつながってしまいます。どんなに高額な治療をしても、土台となる部分の治療を怠ると無意味なものになってしまうということです。

インプラント治療を成功させるために、手術前に口の中の全体の歯周病組織を良い状態にする事が最も重要なのです。
また、手術後も、歯周病から口を守るために、口の中を毎日清潔に保つ事と、噛みあわせのバランスのチェックが必要です。
歯周病はほとんど痛みもなく慢性的に進行するため、初期の段階で治療できるように定期的な歯科医での検診が必要不可欠になります。

インプラント手術の1回法と2回法

入れ歯やブリッジに替わる、最も合理的に治療できるとされるインプラントですが、インプラント手術に1回法と2回法があることをご存知でしょうか。
仕上がりが同じであれば、手術が1回で済む1回法の方が患者さんにとっては負担が少なくて良いですよね。ですが、簡単にそうだとは言えないのです。

現在、主なインプラント手術のほとんどが2回法です。その大きな理由に、2回法の方が手術の成功率が高いという点があります。

1回法はインプラントを骨に挿入した後、口内に露出させます。その後、人工歯を装着するので、1回の切開で全てを終らせることができます。
ですが、骨の厚さや高さが不足している場合には感染のリスクが高くなってしまいます。骨が十分ある人向けの治療法です。

これに対し2回法は、インプラントを埋め込み後、一度歯茎を閉じてインプラントと骨がくっつくのを待ってから(通常、下顎で3~4ヶ月、上顎で6ヶ月程度、骨内での治癒期間が必要です。)再度歯茎を切開して、ネジ止めにて、人工の歯を装着します。
こちらは手間がかかり、手術期間も長くなってしまいますが数ヶ月間粘膜下にインプラントをおいて置く事により、インプラントと骨がより強固に結合し、感染するリスクも少なくなるのです。

こういった理由からやはり、感染するリスクが少なく、成功率の高い2回法の方が多く行われています。
期間がなく早く治療を済ませたい、手術に恐怖心がある人など、1回で手術を済ませたい方は医師とよく相談して、1回法のリスクを考えた上で手術を行った方が良いでしょう。


AQBインプラント

失ってしまった歯の箇所に、人工の歯根を埋め込んで、その上から人工歯を装着する治療方法、インプラント。
一言でインプラントといっても、インプラントには数多くの種類があります。
その中の1つにAQB(Advanced quick bonding)インプラントがあります。

AQBインプラントは、体に無害の純チタンと再結晶化ハイドロキシアパタイトという材料からできています。ハイドロキシアパタイトは骨の成分の一つで、骨と直接結合する優れた生体親和性を持っています。

インプラント手術には1回で終わらせる方法と2回で終わらせる方法とありますが、AQBインプラントには、基本的に手術が1回で済むといった特徴があります。

また、噛めるようになるまでに約2ヶ月間と、回復するまでの期間がとても早いといった良い特徴もあります。

患者さんへの心身的負担が少なくて済む為、現在多くの歯科医で使われています。

ただ、通常行われている手術は2回法が多いのです。
そこには手術の成功率が関係しています。

2回法では、歯肉を2回切開して手術を行います。
インプラントを歯茎に埋め込んだ後、インプラントと骨がくっつくのを待って、再度切開し人工歯を装着する方法です。
こちらは、1回法に比べると、手間がかかる分、成功率が高くなります。

AQBインプラントを使い手術を1回で済ませたい方も、こういった点を考慮してよく医師と相談した後、選択することをお勧めします。


テンポラリーインプラント

最近巷でよく耳にするようになったインプラント。
インプラントは失った歯の箇所に人工の歯根を埋め込んで人工歯を装着する新しい治療法です。
自分の歯と同じように噛むことができ、高い審美性も兼ね備えていて現在注目されている治療法です。
通常のインプラントでは手術後、歯の頭をつけるまで約2ヶ月間、物を食べることができません。しかし2ヶ月間食べることができない、歯が正常に機能しないというのはあまりにも長すぎますよね。

そこでテンポラリーインプラントというものがあります。
即時暫間インプラント、あるいはトランジショナルインプラントとも呼ばれます。
その名の通り、しばらくの期間使用する為に使用する仮のインプラントです。
これによって、手術したその日から物を食べることができるようになります。
また、骨造成手術などで、術後に義歯の圧力、不潔な状態を回避したい時にも効果的に使われます。

テンポラリーインプラントは本物のインプラントを埋め込んだその間のスペースに埋め込まれます。
テンポラリーインプラントは、直径が細く、長期間の使用はできませんが、通常のインプラントが使えるようになる2ヶ月間は十分に機能してくれます。

その後、通常のインプラントの治癒が完了した時にテンポラリーインプラントは外してしまいます。外す時には、骨の損失を最小限にとどめて、不快感もほとんどありません。

審美的にも良いですし、インプラント手術を受ける患者さんにとっては術後のストレスを軽減してくれる大きな存在であると言えますね。


インプラントのサイナスリフト法

歯を失ってしまった場合でも、自然の歯とほとんど変わらない機能を持った歯を取り戻し快適な暮らしを実現できるインプラント治療法。審美性も兼ね備えていて、現在注目されている治療法です。
そんな素晴らしい治療をより多くの患者さんが受けることができるように、インプラント技術は日々進歩しています。
その1つにサイナスリフト法というものがあります。

上あごの奥歯の部位は歯が抜けた時に大抵の人は骨が少なくなってしまいます。
骨の厚みや高さが不足しているとインプラントを埋入するのが困難な為、以前では短いインプラントを入れるか、治療を断念しなくてはなりませんでした。
短いインプラントを埋入した場合、将来的に不安を抱えることになってしまいます。

サイナスリフトとは、このような場合に骨量、骨幅を増大させる治療法です。
骨の高さが1~5ミリしかない場合でも、この方法を行うと10数ミリのインプラントを埋入することができます。
上あご洞(上あご骨の上に存在する空洞)に移植骨や骨補填材を注入し、上あごの底の部分を押し上げてインプラントを埋入可能にするスペースを作るのです。

デメリットとして、治療に時間がかかるという点があります。
条件によっては即時にインプラントを埋入する場合もありますが、ほとんどの場合、手術を行ってから骨が熟成し硬くなるまでに、およそ6ヶ月は待たなければなりません。それからインプラント埋入するため、約9ヶ月かかります。

また、この方法は非常に高度な技術が必要な為、歯科医院によっては行っていない場合があります。


インプラント手術

天然の歯に近い状態で違和感なく、しっかり噛むことができ、見た目も綺麗。
画期的な治療法として、現在多くの歯科医で行われているインプラント治療ですが、実際にはどのような事を行うのでしょう。

インプラントは外科手術を受けることになります。
”手術”と聞くと、ドキッとしてしまいますね。
手術なんてした事がないという人も多いでしょう。
誰しも初めての経験には不安を感じるものです。
痛みへの不安や怖さを感じる人も少なくないのでは・・・。

でもそれほど心配することはありません。
抜歯と同様、インプラント手術は局所麻酔をして行いますので、手術中に痛みを感じることはありません。
時間的にも、それほど時間はかかりません。
手術の内容を良く理解しておくことによって、手術への不安は和らいでいくものです。

では、手術の流れはどういったものなのでしょう。

まず、インプラント手術が可能なのか、何本インプラントを埋めるのかなど、断層写真を撮って医師と念入りに治療の計画をたてます。

そしていよいよ手術開始です。
インプラントが入るための穴を開ける為、局部麻酔をして歯肉を切開します。
次にインプラントを入れやすくする為に、ネジ状の溝をつけます。
そして、インプラントを埋め込みます。

その後、インプラントと骨がくっつくまで、1ヶ月~3ヶ月待ちます。(骨の状態や様々な条件により異なります。)
この期間、インプラントの上に仮歯を使用できる場合があります。

最後にインプラントと骨がくっついたら、再び歯茎を開いて、人口歯を装着する準備をします。
歯茎が治った時点で、人口歯の作成のため、型を採ります。
人工歯を装着して一通りの治療が終了です。

最近では、インプラント手術に、フラップレステクニックというものがあります。
これはメスを使わずに、小さな穴を開けて手術を行うものです。
歯肉を縫い合わせるという作業も必要ありません。
歯肉のダメージは通常手術の10分の1と言えるでしょう。
手術時間も短く、1本10分程度で済むので、患者さんにとって辛い痛み、腫れ、出血がほとんどありません。薬も少なくて済みます。
これは、嬉しいことばかりですよね。

しかし、すべての人に適用できる方法ではないのです。
事前に医師の念入りな診断が必要になります。

また、フラップレステクニックは歯肉の上から、骨を見ることなく行われる手術なので、術者には相当の訓練が必要です。安易に行うことは事故のもとです。
誰にでも必ずできる手術ではありませんので、より信頼できる医師のもとで手術を受けることをお勧めします。


インプラント手術前の準備

歯を失ってしまった歯肉の部分に、チタン製の小さな人工歯根を埋め込んで丈夫な土台を築き、この上からセラミックなどの人口歯をかぶせる、インプラント。
最も合理的に歯を再生できる、新しい治療方法して現在では多くの人がインプラント手術を受けています。ですが、”手術”と聞いて、しり込みしてしまう人も多いのではないでしょうか。

どんな事をするの?自分にもできる?などと、不安に感じてしまいますよね。
手術前に確認しておきたい事はいくつかありますが、その中の一つに、”のどの具合”があります。
どういうこと?と疑問に思ってしまいますが、のどに水をためられるか、ということです。高齢になればなるほど、のどの筋力の低下により、のどに水をためて鼻で息をする事が難しくなります。
手術時間は15分程度で短いので、あまり神経質に考える事はありませんが、一度自分で実験してみましょう!

まず、ひと口程の水をのどの奥にためて、上を向き、鼻で息をしてみて下さい。
2分程度できればインプラントを含めて、全ての歯科治療はスムーズにできるでしょう。できない人でも、何回か練習すると上達していくものです。やってみて下さい。

手術前に確認しておきたい事はもう一つ、うまく口を開けておくことができるか、です。
普段の生活では、ほとんど気にしない事ですね。
ですが、手術を受ける時には大切な事の1つです。
手術時間は普通15分程度と短いですが、その間、ある程度大きく口を開けることができないと、インプラント挿入が難しくなってしまいます。
どの位開けば良いかはインプラント挿入の箇所や、やり方によって異なってきます。
普段あまり気にしないことですが、自分が正常に開くかどうか、自分でやってみましょう!
”正常に開く”とは、どの程度でしょう。指3本(人差し指+中指+薬指)を縦に入れることができればまず問題はないといえます。

でも、口が大きく開けられない、うまく息ができないといって、インプラント手術をあきらめなければいけない、という事ではありません。
前もって、その事を主治医の先生に伝える事が肝心なのです。
口を大きく開くことができなければ、短い道具を使うとか、息が続かないならば、休み休み行うとか、あらかじめ主治医の先生が工夫をして行ってくれるはずですよ。


インプラントの手術後

歯が抜けてしまった後に骨の中に人口の歯根を埋め込むことによって、以前の歯のように使うことができる、新しい療法であるインプラント。
今残っている隣の歯を支えにしたり、削ったりする必要がない為、歯の全くない人でも、まだ少し残っている人でも、治療が可能です。
見た目も綺麗で、メリットも多い治療法ですが、手術を受けるということで構えてしまう人も多いのではないでしょうか。

もちろん”手術”ですので、出血は伴います。どのくらい出血するのか、手術後はどのような状態になるのか、気になるところですよね。

しかし、それほど心配することはありません。 手術後の感じは抜歯の時とほぼ同じです。
顔の腫れや青アザ(内出血斑)が、人によっては出る場合があります。
腫れは2~3日がピークです。その期間は適度に冷やしたりして対処します。
内出血は数日間で自然に消えていくものです。心配いりません。

・・・といっても、口の中に血がにじんでいる状態というのは、やはり気持ちが悪いものです。人によってはペッペッと血を吐いて、口の中に血のない状態を作ろうとしてしまいます。
ところが、吐けば吐く程、血は止まりにくい状態になってしまうのです。
なぜかというと、血は止まろうとする時、まずゼリーのようになります。
これが”かさぶた”の様な役割をする為、血を吐いてしまうことによって”かさぶた”をとってしまう事になるのです。
ですが、中には血の止まらない病気もあるので、心配なら主治医の先生に相談しても良いですね。
とはいえ、少々の出血はあまり気にせず、楽な気持ちでいることが、出血に対する一番のアドバイスと言えす。

手術中は歯科の先生にお任せですが、手術後はどうなのでしょう。
どういった注意が必要になるのでしょう。

手術後は、抗生物質や痛み止めが出されます。痛みがなくても、鎮痛剤以外の処方された薬は、体に変調がない限り服用します。抗生物質は1週間分、飲みきります。雑菌から傷口を守る為、ちゃんと指示通りに飲む事が必要です。

主な注意事項は抜歯の時と同じです。お風呂・お酒・運動など、止血の妨げになるような事は避けます。シャワーは大丈夫です。
食事は、出血がある為、気持ちよく食べることはできませんが、やはり栄養を取ることも必要です。
ですが、インプラントに食物などによって刺激が加わると、感染の原因になったり手術の失敗につながったりしてしまいます。
ですから、最初の2日間くらいはジュースやスープ、栄養価の高いベビーフードなどのなるべく柔らかく、あまり噛む必要のない物を、インプラント治療箇所と反対側で噛むようにして食べます。
熱いものや辛いものなどの刺激物も避けます。

また、大きく口をあけたり、笑ったりするのも避けるようにします。

飲酒や喫煙は、できるなら2週間は控えます。
過激な運動も2、3日は避けてください。

毎食後、就寝前に、処方された薬で消毒します。
医師に指示された事を忠実に守ることが、インプラント手術成功の重要なポイントです!

インプラント手術のトラブル

最近テレビや新聞で話題にのぼるようになり、より身近に感じられるようになったインプラント治療ですが、インプラント手術は決して簡単な手術ではありません。実際にはどんなトラブルが起きているのか、気になるところですよね。

手術後に多いトラブルに、痛み、腫れ、出血などがあります。
痛みには個人差がありますが、通常の場合ジーンとするような感じが数時間続く程度です。長くても1週間程度で痛みは消えるはずですが、それ以上続く場合は骨のやけどが考えられます。この場合、薬で症状を落ち着かせ経過観察するか、ひどい時はインプラントを除去しなければなりません。

腫れは、手術後には通常起こります。風邪をひいていたり、持病などで体力が弱っていたりする人は腫れが長引くことがありますが、腫れは傷をなおすための組織液が出ていることが原因ですから心配することはありません。

出血は、手術後にはもちろん起こるわけですが、にじむ程度なら心配いりません。
上あごの手術をした後は鼻血が出る場合があります。
下あごの手術後、極端な腫れが出てきた場合、中の血管が傷ついている可能性があります。この時はすぐに処置が必要です。

この他に多いトラブルに知覚障害があります。インプラントが下歯槽神経に近いために生じてしまう事があるのです。
知覚異常は短い場合で6ヵ月、長い場合で7~8年かかってしまう事があります。
神経を切断してしまった時は半永久的に知覚異常が残ってしまう事になります。

他にはインプラントのサイズ(長さ)の選択ミス、2次オペの時期が早いなどの理由により長期保存が難しく、1~3年でインプラントがだめになってしまう場合があります。

そもそもインプラント手術に敵さない人とはどんな人でしょうか。

まず、妊娠中である人、歯根に感染症がある人、歯周病の人、あご骨の量が少ない人、骨粗しょうの人は、インプラント治療が制限されます。
医師が適切な処置をした後で、受けられる場合がありますが、念入りな事前準備が必要になります。

あご骨の成長が終わっていない16歳以下の人はインプラント手術を受けることができません。

また、術後、口内環境を清潔に保つ必要がある為、きちんと歯が磨けるかどうかも重要なポイントになります。
歯を毎日磨くことが困難であると判断された場合は、手術を受けることはできません。

その他に、アルコール依存症の人(術後、しばらくの期間はアルコールを控えなくてはなりません)、医師との意思疎通が困難な精神的に問題のある人、チタンアレルギーのある人も手術を受けることは難しいと言えます。

インプラントの無痛治療と妊娠中のインプラント治療

歯の抜けた部分に人工の歯根を植えて、その上から歯を装着するインプラント。
天然歯の同じ様に機能し、審美的にも優れていて、現在注目されている治療法です。

ですがインプラントは外科手術を受けることになる為、”怖い””痛そう”というイメージを持ってしまう患者さんも少なくありません。
実際にはインプラント手術は局所麻酔下で行いますので、基本的に術中の痛みはありません。
ですが、外科手術なんてしたことがないという患者さんも多く、それでも怖いから、と敬遠される人も多いです。
そんな人のために、静脈内鎮静法という、無痛治療があります。

これは、胃カメラや大腸内視鏡検査などにも用いられているもので、治療前に点滴によって薬剤を注入して意識レベルを落とす方法です。
これによって1時間くらいはうつらうつらした状態になり、治療が終わるまで全く痛みを感じることはありません。患者さんの気分を落ち着かせることができ、ほとんどの患者さんが、知らないうちに治療が終わっていたと感じるそうです。
これは、痛みがきらいな人にとっては、とても嬉しい方法ですよね。

この静脈鎮静法を受けるにあたっての注意事項として、胃の中を空っぽにしておく事があります。
胃の中に食べ物が残っていて、鎮静中に吐いてしまったりすると、誤ってそれを気管の中に吸い込んでしまうことがあります。
それが気管や肺に入ると重大な損傷を生じる危険性があるのです。ですから絶飲絶食を必ず守る必要があります。

次に、インプラントの治療は妊娠中でも可能なのでしょうか?

妊娠初期(1~4ヶ月目)は、やはり精神的にも不安定になっていることが多く、流産の可能性を招く心配もあるため、避けた方が良いです。

妊娠安定期(5~7ヶ月目)であれば、インプラント手術は可能であると言えます。ただし難易度の高いインプラント手術(骨移植を伴うものなど)は避けた方が良いです。

妊娠後期(8ヶ月~)になってしまうと、体内の血液の20%が子宮に集中するため、緊張や痛みに対する恐怖から貧血を起こしてしまう恐れがあります。
また、子宮筋が分娩準備状態に入るため、ちょっとした刺激で子宮収縮を起こしやすくなり、早産してしまう可能性も出てきますので避けます。

インプラント治療は手術だけでなく、麻酔、レントゲン、抗生剤や鎮痛剤の内服も必要になってきますが、それらの影響はどうなのでしょう。

手術の際に使う麻酔にはリドカインというものを使用します。これは無痛分娩に使われる量より少ない程度なので胎児への影響はほとんどありません。
レントゲン線量は、問題はないとされています。ただし、影響は全くないとは言い切れないので、防護エプロンの着用をしたり、撮影の回数を最小限にしたりする必要があります。

抗生剤、鎮痛剤に関しても胎児に影響の極めて少ない薬を使用するため、問題はないと言えます。

しかし、妊娠時期は精神的に不安定でデリケートな時期です。
治療は受けられますが、やはり赤ちゃんのことを一番に考え、慎重に行った方が良いと思います。